トップカイザーサウンドオーディオクリニックの旅ペンションに大掛かりなAVシステムを設置

ペンションに大掛かりなAVシステムを設置



 私にとっての北限の地、岩手県へ


 すっかり忘れるところでした。岩手県の安比高原へ、8月1日から2泊3日で大掛かりなAVシステムの設置工事に行ってきました。既にヴィジュアルの仕事を担当している業者の方たちは来ていました。内装の工事が遅れていて、床にワックスを塗ったばかりだから今日は仕事になりません。

 そんな事ですから、初日は夕方まで息子と遊園地でゴーカートに乗ったり、二人乗りの自転車に乗ったりで、童心に返ったような気分で仲良く親子で遊びました。施主さんが宿をとってくれていたそこのご主人曰く、

 『昨日初めてストーブを焚くのを止めたんですよ』。

 『今年は冷夏ですから、春からいきなり秋になるかもしれませんね』、と仰る。

 現地の方は今日から夏だというのですが、私には完全に秋の気候です。この安比高原の空気は軽くコスモスを感じさせる空気です。夕食は立派なフランス料理が出てきました。私も15年ほど前にフランス料理のレストランを経営していたので、ある程度の事は分かります。その味と腕前は中々のもので、大変美味しかったです。


 ちょっとした、ハプニングが発生


 翌日は朝早くから仕事に取り掛かりました。先ずスピーカーケーブルの引き込み工事を一番にする事になり、持って来たSP-1S(8NPerfect)10.5kaiserを床に埋設してあった配管に通して貰います。次にヴィジュアル用のケーブルを方向と順番とを確認しながら引き込んで貰うのですが、ここでハプニングが発生。

 それは、どこのケーブルか忘れましたが矢印の向きと私が調べる限りには反対なのです。工事関係者の方達はそのケーブルは普段からよく使っているケーブルらしく、私の言う方向に結線するには抵抗があるみたいでした。それはそうでしょう、ケーブル自体は信用あるブランドの物ですからそう思うのが当たり前でしょう。しかし、結局は施主さんの判断で、私の勧める方向に通してもらう事になりました。


 加速度組み立ての誕生は安比高原から


 その後は、カイザーウェーブラックの組み立てです。この時初めて、ネジの順番まで管理した上で組み上げる手法を息子が言い始めたのです。これが今で言う、「加速度組み立て」が誕生した瞬間だったのです。4段物を2組ですから、かれこれ二人で6時間ぐらい掛かりましたでしょうか?。本当に手間の掛かるラックなんです。

 ラックが組み立て終わった頃には、配線工事もほぼ目処がついたかなという状態でした。ラックに機材をセットし各機器間のワイヤリングを終えた頃には深夜が近い時間でした。とりあえず今日中には、一旦音が出るところまでには持って行きたいですから、もうひと頑張りです。


 800の”カイザーウェーブセッティング”は重労働


 何せスピーカーがB&Wの800ですから、重たくて大変です。当然その下の受けは、ローゼンクランツの専用インシュレーターRK-BWの4点支持方式を採っています。800のネットワークが収まっている四角いアルミのハウジングケースは角が立っていて怪我をしそうですから大変気を使います。

 このベース部分の形状が音にかなり影響があって、このスピーカーを上手く鳴らすのを難しくしているのです。しかし、施主さんはここというところにはキチンとお金を惜しまず生きたお金を使いますので、私としては大変仕事がやりやすいのです。その半面結果を出さなければなりませんから厳しくもあるのです。


 157.5ミリの長さのジャンパーケーブルを用意し、スピーカーアタッチメントと共に締め付ければフロントスピーカの結線は一応終わりです。その後は、センタースピーカーとリアースピーカーCDM-9NTの結線です。予め用意していた上下裏表の方向管理済みのY端子を半田付けし、バイワイヤリング結線します。


 そうこうしている間に天井に取り付ける3管式プロジェクターも設置完了のようです。一足先に我々はフロント2チャンネルの音出しを始めます、少し緊張しましたが大きな問題もなく、一応音は出ております。”カイザーウェーブ・セッティング”をする為には、何度もスピーカーを前後させますので、スピーカーの下には滑りやすいようにする為に毛布を敷く必要があります。


 出て来た音に工事関係者はビックリ!

 
 こうして紡ぎ出したピンポイントの音には、その場にいる工事関係者の人達が何よりビックリしたみたいです。新品を設置してすぐにどうしてこんな音が出るのか?不思議でならないようです。それからというものは私達親子のする事に関心を持ち色々と質問をして来るのでした。
 
 この時もそうです、施主さんが買っておられたフェーズプラグに交換すると何とも重たく冷たい音になったので、「オリジナルに戻した方が良いですよ」といって外させて貰いました。この時に、「音の良いフェーズプラグを作らなければ!・・・」と静かに私は決心したのです。ここで、今日の仕事は一旦置き、施主のH.Sさんの要望でエージング用のソフトを一晩中リピート状態で鳴らしっぱなしにして宿に戻りました。



 余力を振り絞って微調整


 翌日は皆さんグロッキーだったのかお昼を過ぎてもなかなか出て来ませんでした。今日は暗くなるまでには出発する予定ですから、そんなに時間があるわけではありません。あと残されている事といえば配線の引き回し等による細かいノウハウを駆使して積み上げ作業になります。

 頼まれてはいなかったのですが、「ナイアガラJr.」を持ち出して試聴して貰う事にしました。この効果は大変大きく、高性能な音から一気に気持ちの良い音楽になったという印象で、とりあえず置いて帰ることになりました。


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